名作は、ライバルから描いても、名作だ。
(『巨人の星/花形満版』)
親愛なる君に

WOWOWで『巨人の星/花形満編集版』を、見ました。
いわば、『阪神の星』のようなものです。
熱くなりました。
よくできた物語は、ライバル役を中心に切り取っても、
ちゃんと感動できるということが、よくわかりました。
ストーリーがかっちりできていないと、
ライバル役の出ている部分をいくらつないでも、
物語が成立しないからです。
たぶん、『巨人の星』は、星一徹からでも、伴宙太からでも、左門豊作からでも、
星明子からでも、作品として成立するでしょう。
これが、物語の厚みなのですね。
これが、キャラクターの強さなのですね。
ライバル役が人気が出すぎて、主役が説明役の狂言回しになってしまうことも、
ドラマなどでも、よくあります。
オンエアしはじめた時と、終わった時とでは、主役が入れ替わってしまっていることが、
ドラマでは、少なくありません。
ところが、『巨人の星』の場合、これだけ強烈なライバル役が多いにもかかわらず、
主役の星飛雄馬が、ちっとも負けていないのです。
ライバルのキャラクターが、さらに主役のキャラを強くしているのです。
さすが、梶原一騎さんです。
あらためて、僕たちは、梶原一騎さんに育てられたということを、
花形満バーションを見て、感じました。

                        中谷彰宏拝
P.S.
こんなに何度も何度も、再放送を見てきたのに、新たな発見がたくさんありました。
一緒に、見よう。