三谷さんは、演技もできる演出家ではなく、演出もできる役者だった。 (『空飛ぶ雲の上団五郎一座』) |
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親愛なる君に 『空飛ぶ雲の上団五郎一座』を観ました。 普通は、カメオ出演やCMでちょっとしか観ることのできない 三谷幸喜さんの演技を、初めてたっぷり拝見しました。 その演技力に、驚きました。 三谷さんは、演技もできる演出・脚本家ではなく、 演出・脚本もできる役者だったと思い知らされました。 三谷さんのお芝居に出た役者さんから、 三谷さんは、まず自分がやってみて、 細かく演出すると聞いていましたが、よくわかりました。 テレビに出る時は、いつもタキシードでじっとしているので、 こんなにスピーディに動く三谷さんを観ると、 三谷さんの着ぐるみの中に野田秀樹さんが入っているのかと思うくらいです。 取材で写真が載る時は、顔のアップが多いので、 ぽっちゃりしたイメージだったのですが、実際には、かなり細身です。 いくつかの短いエピソードを、 楽屋でつないでいくオムニバス構成なのですが、 僕の頭にこびりついたお話は、この3つです。 1.「ラジウムを生ゴミの日に捨てさせられるキュリー夫人のだんな」 キュリー夫人のだんなと呼ばれるキュリー博士のおどおど感が、三谷さん絶品。 2.「町内のイベントに呼ばれてしまった偉そうな現代詩人」 やけくそになっておどぼけをする深沢敦さんと中村有志さんの、落差絶品。 3.「だんどりの悪い死刑執行員」 ナイロン100℃には、大倉孝司さんの他にも怪優がいる。 脚本チームには、別役実さんや井上ひさしさんが入っていて、 改めて、僕は学生時代に、別役さんや井上さんのお芝居で育った ということを、再認識しました。 中谷彰宏拝 P.S. くりーむしちゅーの上田さんのツッコミ芸の凄さも、 舞台で思い知らされました。 |