犬好きが作ったコマーシャルは、さすが違う。
(アイフルCMチワワ篇)
親愛なる君に

犬のコマーシャルで、本物の飼い主がどうかを、見分ける方法があります。
それは、尻尾を振っているかどうかです。
本当に喜んでいないと、尻尾は振らないからです。
「アイフル/チワワ篇」のCMには、負けました。
1回見た時から、はまりました。
たとえCGで作った演出だったとしても、こんな演出は思いつきません。
犬が好きではない人にとっては、どうということのないCMかもしれません。
でも、犬が好きな人が見ると、
演出家が本当に犬が好きだということがよくわかります。
犬が好きじゃない演出家が撮った犬のコマーシャルは、一発でばれますね。
「アイフル/チワワ篇」の、さすがなところ。
1.「飼ってくれるの?」とお願いする時、チワワが「ゴクリ」とツバを飲み込むところ。
2.その時、チワワが1回するまばたき。
3.その前のカットで、「おじさん、だあれ?」と、かしげている首。
4.さらにその前に、ケースの中で、娘に無邪気にじゃれているしぐさ。
5.想像の中で、浜辺を走るチワワの全速力。
6.それと一緒に走るお父さんの転びそうなまでの全速力。
7.抱き上げて見つめあう、お父さんとチワワの目線。
8.チワワとお父さんの顔のアップの切り返しは、実は目と鼻がまったく重なり合う
  同ポジ(同じポジション)になっている。
カット割り、サイズ、表情、どれをとっても完璧なつくりです。
お父さん役の清水章吾さんは、父親役や上司役で味のある役者さんですが、
実は、日大の獣医学部卒業なのです。
このお父さんの役は、清水さんしかないのです。

                        中谷彰宏拝
P.S.
ロングコートチワワが、流行っちゃうね。