なんでも書いているようで、元気しか書いていない。
(中谷本)
親愛なる君に

「中谷さんって、なんでも書くんですね」
と、よく言われます。
確かに、なんでも書きます。
でも、同時に、なんでも書いているわけではありません。
絶対、書かないものもあります。
「読んで元気の出るもの」しか、書きません。
「読んで元気のなくなるもの」は、いっさい書きません。
ジャンルは、関係ないのです。
どんなジャンルにも、「元気の出るもの」と、
「元気の出なくなるもの」があります。
だから、グチ・悪口・噂話は、書きません。
「こういう本を書くと、売れますよ」と、企画を持ってこられても、断っています。
それは、「元気のなくなるもの」だからです。
高級スーパーの紀ノ国屋さんの社長さんが、「買わない勇気が大切」
と、おっしゃっていました。
「本当にいいもの以外、仕入れない」ということです。
僕が本を書く時も、なんでも書いているようで、
「書かない勇気」も、大切にしていきたいと思います。
実は、僕はなんでも書いているようで、実際には、「元気の出るもの」
という限られた世界しか、書いていないのです。

                        中谷彰宏拝
P.S.
本を読んで、万一、元気が入っていなかったら、交換させていただきます。