小さな違いが、大きな差になる。
親愛なる君に

僕は、本を書く時に「小さいこと」に、こだわっています。
小さいことが、大きな違いになると信じているからです。
[マイブーム]の部屋で、[中谷本の、ほかの本との「小さいけれど、大きな違い」]
を、みんなに教えてもらいました。
僕のこだわりが、こんなにちゃんと受け取ってもらえていると、
感動しました。
僕のほうが、教えられることもたくさんありました。

〈手紙のあて先に書いてある「僕は、一生懸命読みます」〉(由美子さん)
これは、本当にそうなのです。

〈最後のP.S.〉(きよりんさん)
この言葉って、なかなか難しいんですよね。

〈「〜しよう」〉(ちこさん)
僕は、「〜せよ」「〜しろ」っていう命令文が苦手なのです。

〈凄いスピードで読める〉(理絵さん)
みんな忙しいから、時間を節約してもらわないといけないからね。

〈何度も読める〉(makotoさん)
一度しか面白くない本は、書きたくないのです。

〈読みやすい〉(くまおくん)
本を読む時は、みんなも疲れてるからね。
いいカッコして、難しく書かない。

〈大きな見出し〉(ねこにゃん)
忙しい時でも、読めるしね。

〈栄養ドリンク的〉(ニセ釣り師さん)
だから、元気になってほしいからね。

〈「君」〉(来夢さん)
「僕」と「君」というのが、僕の最も話しやすい自然な語り口ですね。

〈帯コピー〉(えびたこいかさん)
帯のコピーも、僕が書いています。
ドキッとして、あるあるって共感して、
なるほどやってみるか、って思ってもらいたい。

〈英文タイトル〉(銀河さん)
外国の人に「どんな本か」ときかれることが多いのでね。
微妙なニュアンスを出してもらうために、
いつも美人秘書まりあ嬢にムリを言っています。

〈10ページ以上の目次〉(加藤浩司さん)
長い目次を、加藤さんは「ディズニーランドに入るまでの長い導線みたい」と、
見事に表現してくれました。なるほどね。

〈出版社の枠を超えた著作リスト〉(中村尚雄さん)
出版社中心よりも、読者を中心にしたいですからね。

「中谷本の作り方をこんなに公開してしまって、マネされませんか」
と、心配する人もいます。
でも、大丈夫です。
やっぱり、マネできないのです。
「……さんの本は、中谷さんの本のマネですよ」と親切な人が教えてくれますが、
マネは、しょせんマネで、オリジナルを超えることはできないのです。
「マネなんかするより、自分のオリジナルの文体を
見つけたほうがいいのにな」と、気の毒に思います。
いいことは、どんどんマネしてください。
小さなこだわりは、まだまだあります。
[マイブーム]の部屋も、のぞいてみてください。
中谷本は、小さなこだわりの積み重ねで出来上がっているのですね。

                        中谷彰宏拝
P.S.
君がいちばん最初に気づいてくれて、うれしかった。