優しい言葉は、時に怒鳴るように言われるけど、大丈夫。
(『ラ ハッスル きのこショー』)
親愛なる君に

シティボーイズ・ミックス(中村有志+いとうせいこう)の
『ラ ハッスル きのこショー』(アートスフィア)を観ました。
「親友の誕生日」が、最高に面白かった。
(ちなみにタイトルは、僕が勝手につけています)
仲良し3人組が、1人の誕生日に会うんだけど、
口調では怒ってるんだけど、
言ってる中身は凄い優しいというコントなのです。
中村有志さんが待っているところへ、きたろうさんが来る。
「おまえ、早いじゃないか、バカ」
「おまえこそ、まだ1時間もあるじゃないか、バカ」
「早く来たんなら、どっか店に入ってろよ、バカ」
「店に入ってたら、オマエが早めに来たら、わかんねえじゃねえか、バカ」
「オマエ、風邪ひいてるんだろ。外で待ってて、ごじらせたら、どうするんだよ、バカ」
「なんで、オレの風邪のこと、知ってんだよ、バカ」
「たまには、俺を待たせてみろよ、バカ」
文章ではなかなかニュアンスが出ないんだけど、想像してください。
このあと、誕生日のいとうせいこうさんが合流して、
居酒屋に行って、プレゼントを渡して、
きたろうさんが財布を落とす事件があって、と展開していきます。
言葉づかいの激しさと、言ってることの優しさのギャップが、
意表をつく青春ものでした。
優しい言葉は、優しく言うとは、限らないんですね。
怒鳴りあっているから、仲が悪いとは言えないんですね。
仲のいい同士って、意外に、怒鳴りあっていたりするものですね。

                        中谷彰宏拝
P.S.
恋人同士でも、同じだね。