ミュージカルで、初めて ABBA の曲の歌詞の意味を知った。
(『マンマ・ミーア!』)
親愛なる君に

電通四季劇場[海]の柿落とし公演、『マンマ・ミーア!』を観てきました。
こんなミュージカルの作り方もあるんだなと驚かされました。
普通、ミュージカルは物語ができてから、音楽が作られます。
『マンマ・ミーア!』は、ABBA の22曲がすでに先にあって、
それを生かす物語があとから作られたのです。
しかも、ABBA の物語ではありません。
もちろん、詞は原則、オリジナルのままです。
こういうパズルのような作り方から、
思いもしない作品ができあがるんですね。
ABBA の日本での全盛時代は、77年から80年。
ちょうど、僕の受験時代・予備校時代に重なります。
『マンマ・ミーア!』を観て、
初めて、「ああ、あの歌は、そういう詞だったんだ」と知りました。
外国のポップスは、受験でさんざん英語を勉強していた頃でさえ、
意味や文字ではなく、意味のわからない音として、歌を味わっていたのです。
ブロードウェイ ミュージカルを、ニューヨークで観るのもいいけど、
僕は、四季の日本語バージョンで観るのも好きです。
ミュージカルだって、セリフや歌詞が重要な要素をしめる作品が
たくさんありますからね。
娘の結婚は、日本のドラマの最大のテーマなのですが、
面白いのは、「親が結婚を否定し、娘が結婚を肯定する」という関係です。
普通のドラマは、逆なのです。
これが、70年代と現代との差なのです。
ママの仲良し3人組のやり取りは、『セックス・アンド・ザ・シティ』のような
おおらかなエロティシズムがありました。
娘役の樋口麻美さんのダンスは、バックで踊ってる時も、切れが良かった。

                        中谷彰宏拝
P.S.
帰りに、オープンしたてのCaretta汐留の「つな八・粋」で食べたてんぷらも、
おいしかった。