まるで同じでもなく、まるで変わっているわけでもない。
親愛なる君に

高校の後輩が、「花蝶」や高校の今の写真をわざわざ撮って、
送ってくれました。
まるで同じでもなく、まるで変わっているわけでもないのです。
そこが不思議ですね。
まるで同じ風景が残っているかと思えば、
その隣に、見たことがないものができている。
全部が変わっていたら、きっと何の違和感もないのだろうけど、
変わらないものと、変わっているものが、
まるで合成写真のように写っているところに、
『猿の惑星』のラストシーンを観るような感動があります。
これは、すぐつぶれるだろうと思っていたものが残っていたり、
これは永遠にあるだろうと思っていたものがなかったりします。
これが、SFであり、ドキュメンタリーなんですね。

                        中谷彰宏拝
P.S.
坂道は、坂道のままでした。