「淡々」と「感動」は、両立する。
親愛なる君に

父親が4か月に一度の検査のために、東京に来ました。
到着は、夜の12時。
その前に、ベッドで仮眠していました。
オードリーがおもちゃを振っている音が、
ベッドルームまで聞こえたのですが、
運動タイムなんだなと、そのままにしていました。
トイレに起きてくると、ジャージを着た人が
床に広がった、オードリーのオシッコを淡々と拭いているのです。
父親が到着する時間は、夜12時ではなく夜10時だったのです。
たまたま鍵が開いていて、チャイムも押さずに父親が入ってきて、
オードリーが、喜んで、おもらしをしてしまったのです。
おもらしをする時は、トイレに行くのですが、
身を乗り出しすぎて、はずしてしまって、床に広がってしまったのです。
ベッドルームから出てきた僕に、
「どこ、行ってたん?」と、寝巻用のジャージに着替えた父親は、
淡々と聞きました。
父親のあまりに淡々としたマイペースさに、感動しました。

                        中谷彰宏拝
P.S.
「淡々」と「感動」は、両立するんだね。