僕への手紙は、君自身への手紙でもあるんだね。
親愛なる君に

本を読んで手紙を書いてくれた人は、
「著者に手紙を書くのは、初めてです」と言います。
「だから、どう書いていいか、よくわからないんですけど」
と言います。
どんな書き方でも、いいんです。
ていねいに自己紹介をしてくれるのも、うれしい。
感想を書いてくれるのも、うれしい。
読んだイキサツを書いてくれるのも、うれしい。
相談をしてくれるのも、うれしい。
たまたまそこにあった雑誌の白いスペースに書いてくれるのも、うれしい。
プリクラをはってくれるのも、うれしい。
「支離滅裂になって、すみません」と言うのも、うれしい。
「乱筆乱文で、すみません」と言う人は、乱筆乱文ではありません。
「手紙を書いていると、日記より、自分の気持ちがわかりました」
という一文が、うれしかった。
僕への手紙は、書いてくれた君自身への手紙でもあるんですね。

                        中谷彰宏拝
P.S.
だから、また手紙をくださいね。