中谷彰宏に似てる人と、思われてしまった。
親愛なる君に

表参道の交差点で信号を待っていると、
チラシを配っているコンパニオンの女の子が僕の顔を見て、
「あっ」と気づいたようです。
こういう時の、僕のリアクションが難しいのです。
話しかけられれば、答えようがあるのですが、
「あっ」と言ったきり、それ以上何も言われないと、
ナンパと思われるから、こちらから話しかけるわけにもいかないし。
そのコンパニオンの子が、チラシ屋さんの代理店の男の子を
連れてきました。
その男の子が、僕の顔をじっくりのぞきこんで言いました。
「……違うよ」
たぶん、「中谷彰宏じゃないですか?」という女の子の言葉で確認にきたけど、
否定したのです。
これも、リアクションができません。
「そうだよ」とも言えないし。
「違うかなあ……」と、何度ものぞきこまれました。
こういう時の信号待ちは、やけに長かった。
結局、「似ているけど、違う人」で、決着がついたようでした。
僕はいったい誰なのでしょう。

                        中谷彰宏拝
P.S.
あの時の人、実物です。