ヌード写真にも、デルマで印をつけてしまう。
親愛なる君に

僕の本を読んでくれた人が、
線をいっぱい引いて、折り目をつけて読んだ本を
見せてくれました。
なんと、線を引いてあるのも、僕と同じ「オレンジのデルマトグラフ」です。
僕の「オレンジのデルマ」は、
博報堂時代の師匠Hさんから学んだスタイルです。
Hさんは、なんでもデルマで印をつけていました。
Hさんが、いつものように、鼻息も荒く、
デルマで印をつけているなと思ったら、
週刊誌のグラビアページのヌード写真でした。
ページが破れんばかりの力で、
めくったり、戻ったりして、読んでいました。
「中谷!ちょっと」
呼ばれて、Hさんのデスクに行くと、聞かれました。
「おい、これは、影か、ヘアか」
僕の、Hさんへの海外ロケのお土産は、いつも「雑誌」でした。
「オマエ、こんなもん……」と言いながら、会議室に持っていくのでした。
そういう熱心な師匠の下で、僕は鍛えられたことを、今でも感謝しています。

                        中谷彰宏拝
P.S.
そのまま受けついだ僕の行動を、笑ってくれる君が好きです。