虫は、人間には見えない色で、花を見ている。
親愛なる君に

虫には、人間に見えない紫外線や赤外線が見えるそうです。
花の色も、虫が見ると、違う色に見えるそうです。
黄色い花が、赤く見えたりするのです。
それって、黄色い花が赤く見えるのではなくて、
本当は赤い花なのに、
人間には、黄色にしか見えないだけなのかもしれないですね。
本当の色を見ているのは、
人間ではなくて、虫なのかもしれません。
僕たち人間が見ている世界の色は、
本当の色ではないのかもしれません。
カラーテレビが家にくるまで、
白黒テレビで、色を見ていたつもりだったのと同じです。
白黒テレビを見ている時は、白黒のテレビを見ている意識は
ちっともなかったのです。
画家は、虫と同じ色を見ることができるのです。
画家の目を通して、本物の色を見ることができるのです。

                        中谷彰宏拝
P.S.
君の目を通して、僕は世界を見てみたい。