企画よりも、プレゼンに、クリエイティビティが発揮される。
(仲畑貴志さん)
親愛なる君に

僕が就職する頃、広告業界ブームでした。
ピンからキリまで、広告業界を目指しました。
実際、優秀な人材が集まっていました。
早稲田大学だけで、6000人が、博報堂を受けたそうです。
ブームになるのは、スターが出た時です。
当時、糸井重里さん・仲畑貴志さん・川崎徹さんが、カリスマでした。
カリスマは、企画だけでなく、
なんといっても、プレゼンテーションが絶妙に上手かった。
僕も、博報堂で鍛えられたのは、
企画ではなくて、きっとプレゼンテーションだったのです。
『おすピー金貧/コピーライターの巻』で、
久しぶりに仲畑貴志さんのプレゼンを見ました。
「コピーライターの仕事とは、なにか?」がテーマでした。
仲畑さんは、エビ天丼を食べていました。
おもむろにエビ天をとりあげて言いました。
「これは、エビ天ですが、尻尾をこうしてちぎると……」
と、尻尾をちぎりました。
「なんだかわからないわけです。
こんな物体が、暗いところから、いきなり、ひょいと現れると、
ウンコと間違うかもしれません」
それは、まさしくウンコに、見えました。
「暗いところから、いきなり、ひょいと現れると」
というのが、絶妙のコピーです。
「エビ天を、ウンコと間違えないようにつける尻尾が、
コピーなのです」
そう言いながら、ウンコを丼に乗せて、おいしそうに食べました。
天才・仲畑貴志、健在でした。

                        中谷彰宏拝
P.S.
ウンコネタで、噴き出して笑う君が、好きです。