本を読む人の痛みを感じよう。
親愛なる君に

本を書く者として、いつも意識しているのは、
「読む人の痛みを感じる」ということです。
本を読むというのは、お医者さんに行くというのと同じです。
お医者さんに行く時には、すでにかなり痛くなっています。
最初、ちょっと痛い時は、
「疲れかな。一晩寝たら、治るかな」くらいに考えています。
薬局で薬を飲んだりして、治そうとしたりします。
お医者さんに来る時は、
「よく、ココまでガマンしたね」という状態なのです。
「どうしてこんなになるまで、ほっといていた」と叱ってはいけないのです。
決して、好きでほっといていたわけではないのですから。
痛みをガマンしきれなくなって、本を読んでいるということを、
忘れないようにしたいです。
そこで、僕がしなければならないことは、
「大丈夫です。治りますよ」と、勇気づけ、安心してもらうことなのです。

                        中谷彰宏拝
P.S.
次に痛くなった時からは、ちょっと痛くなったら、
すぐ来れるように、なるからね。