タコヤキを回すコツは、ヨコ回転ではなく、タテ回転だ。
親愛なる君に

中島薫さんのボウリング大会で、大阪に行った時、
会場のボウリングセンターの下見のついでに、
タコヤキ屋さん「蛸之徹」に入りました。
席に座ると、テーブルにタコヤキの鉄板がありました。
(ひょっとして、自分で焼くのかな……)
と、あたりを見渡すと、焼き方のコツが書いてあります。
お好み焼きの腕前には、プロのお墨付きをいただいてますが、
タコヤキは、謙虚に自信が持てません。
かつて、東京に出てきた時、もんじゃ焼きを
お好み焼きと同じ焼き方をしようとして、
大洪水を起こしたことを思い出しました。
子供の頃からの記憶のビデオを全部再生して、チャレンジしました。
お店のおにいちゃんのアドバイスは、
でしゃばらず、最低限でありながら、実に適切でした。
コツは、タコヤキの回し方。
回そうとすると、回りません。
回そうとするより、小さくタテに下から上に、乗せるのです。
次に、上から下に、押し込むのです。
ヨコ回転ではなく、タテ回転で、タコヤキは回るのです。
実は、これはボウリングの回転と同じ原理です。
この時、大リーグボールのヒントをつかんだ星飛雄馬のように、
僕の目の中で、炎が燃え上がりました。

                        中谷彰宏拝
P.S.
今度は、もっとおいしく作ってみせましょう。