僕の切り抜きは、アガスティアの切り抜きだ。
(特技)
親愛なる君に

「特技は、何ですか?」
という質問は、なかなか答えにくい。
自分の特技って、意外に気づいていないんですね。
その人の特技って、まわりの人のほうが、よく知っていたりします。
僕は、博報堂の新人の時、
「中谷君?……ああ、いつも雑誌とか新聞の切り抜きをやってる人ね」
と、言われていたことを思い出しました。
そう言われると、僕は、切り抜きが得意です。

1.切り取ったあとが、ギザギザになりません。
2.切り取ったあとの本体のほうも、切り取った形跡を残しません。
3.ハサミやカッターを使いません。

雑誌の場合は、手です。
新聞の場合は、定規です。
雑誌で難しいのは、真ん中あたりのページです。
新聞で難しいのは、繊維質があることです。
切り抜きのコツは、スピードで、迷わず一気にやることです。
実家にいた頃、隣の部屋の妹が、
「お兄ちゃんの部屋から、いつも切り抜く音が聞こえる」と言ってました。
僕は、中学生時代から切り抜きを始めていたので、
かれこれ30年以上やっていることになります。
初めて会った人でも、たいていのその人に関する切り抜きを
コレクションの中から、探すことができます。

                        中谷彰宏拝
P.S.
僕にとって、切り抜きは、
サイババの「アガスティアの葉」ならぬ「アガスティアの切り抜き」です。
君についての切り抜きを、探そうか。