ウンチクにも、良性と悪性がある。
(『うんちく王』)
親愛なる君に

テレビ朝日の深夜番組「うんちく王」に、見入ってしまってます。
見ているほうも、どっと疲れます。
それくらい、面白い。
与えられたお題で、即興でウンチクを語らなければならない。
ウンチクは、余裕がある時に語れば、
語り手に「どうだ」という快感が得られる。
ところが、義務となると、拷問になる。
出演していたラサール石井さんにボウリング部の練習の時に、
「あれ、凄いですね」と、言ったら、「ひえー」と、悲鳴をあげていた。
松尾貴史さんも、山田五郎さんも、伊集院光さんも、
くりぃむしちゅーの上田さんも、みんな涙目になりながら、さすがに凄い。
こういう番組の仕切りをさせたら、
いとうせいこうさんの右に出る人はいない。
ウンチクとは何かが、浮き彫りにされてくる。

1.決して専門的な話ではなくて、身近な話であること。
2.本人の得意分野ではないのに、ヘンなことを知っていたりすること。
3.たくさん知っていることよりは、ヒトネタで、奥の深さを感じさせること。
4.オチのところで、へエーとゴールする構成力があること。
5.聞いたら、すぐ誰かに受け売りで話したくなること。

そう考えると、僕の本も、ウンチクなのかもしれない。

                        中谷彰宏拝
P.S.
レストランでよくいるウンチクおやじから、逃げる方法は、
「はい、これで、ウンチクを30秒で語れ」と、言うことだね。