本で読んでも、大爆笑できるマジメな文体がある。
(別役実さん)
親愛なる君に

本を読んでいて〈思わず、大声でゲラゲラ笑ってしまう〉って、ありますか?
微笑むのではなく、大爆笑です。
僕は、あります。
マンガではなく、本で、大声で笑ってしまうって、凄いことです。
それって、エピソードで笑うんじゃなくて、
やっぱり、文体で笑ってしまうんですね。
「好きな作家は、誰ですか?」
って聞かれると、答えるのが難しいけど、
思わず声を出して笑ってしまうのは、別役実さんです。
僕の大学時代は、
別役さんとつかこうへいさんのお芝居で、育ちました。
別役さんの書かれる舞台も好きですが、本も大好きです。
舞台では、役者がニュアンスをつけることができるから、
笑わせることもできますが、
ニュアンスを文字だけしか表現できない本で
笑わせる別役さんは、さすがです。
文体は、かなり影響を受けているはずです。
淡々とマジメに語っているのに、大爆笑してしまう別役さんの
ような本を、書きたいと思います。

                        中谷彰宏拝
P.S.
別役さんの本を、今度、朗読してあげよう。