言葉づかいは、怖い経験から、覚えていく。
親愛なる君に

僕は、トイレットペーパーという言葉を使いません。
「トイレットロール」と言います。
博報堂時代、ある製紙メーカーさんのコマーシャルを作っていました。
その会社では、トイレットペーパーではなく、トイレットロールという
呼び方だったので、今でも、ロールという呼び方をしてしまいます。
広告代理店の習性が、抜けません。
競合のプレゼンテーションでは、
「トイレットペーパー」と言ってしまうだけで、
「うちの商品をよく勉強してから、出直してきてください」と、
出入り禁止になりかねないのです。
それだけ、クライアントも、自分の商品に誇りを持っているのです。
それは、すばらしいことです。
だから、いまだに、「トイレットペーパー」という言葉は、
怖くて、使えないのです。
ほかにも、怖くて使えない言葉が、きっとたくさんありますね。

                        中谷彰宏拝
P.S.
君が、怖くて使えない言葉は、なに?