建物がなくなっても、名前は残そう。
(渋谷パンテオン)
親愛なる君に

渋谷パンテオンの閉館オールナイトイベントにゲストで、行ってきました。
屋上の五島プラネタリウムがなくなって寂しいなと思っていたら、
パンテオンが入っている渋谷駅東口の東急文化会館まで、
なくなってしまうとのことでした。
パンテオンは、僕の家から最も近い映画館だったので、残念。
パンテオンには、もうひとつ大切な役割があります。
それは、ドラマや映画の撮影隊のロケバスの待ち合わせ場所です。
「パンテオン前7時出発」と言われて、「どこですか」と聞いたら、
それは、よほどの新人です。
朝6時から7時にかけて、似たようなロケバスがぞろぞろ止まっているので、
どのバスに乗ればいいかわからず、間違えて別の撮影隊の現場まで
行ってしまう人も何人もいます。
5分前に出れば、間にあう距離なので、
「パンテオン前出発」がなくなると、
ロケの朝がギリギリまで寝れなくなりそうです。
でも、パンテオンがなくなっても、「パンテオン前」という名称は、
ぜひ、集合場所とともに、残しましょう。
「パンテオン前って、どういう意味ですか?」と、
若いタレントさんに聞かれた時、
「昔ココにパンテオンっていう映画館があってね」と、
スター・ウォーズのヨーダ師みたいな顔で説明しましょう。

                        中谷彰宏拝
P.S.
映画館のCMで、「今までありがとうございました」という
文字を見つけて、「あれっ?」っと気づいた君は、さすがです。