50年以上前、渋谷にロープウエーがあった。
親愛なる君に

未来は、実は、過去にあります。
古い渋谷の写真を見て、驚きました。
渋谷駅の上を「ロープウエー」が飛んでいると言うか、
ぶら下がっていたのです。
最初、合成写真かと思いましたが、実際の写真でした。
1951年から2年間、渋谷駅の西口と東口を結ぶ75メートル。
東横デパート(現・東横店東館)7階屋上と
玉電ビル(現・東横店西館)4階屋上とを結んでいました。
その名も、「空中鉄道ひばり号」。
山の上にあるロープウエーを、街のど真ん中に作る発想は、
未来的ですね。
ハチ公前の道は、今とまったく同じです。
歩道と車道が分かれていないので、道の広さは、今より広く感じます。
高い建物は、ひとつもありません。
高いと言えば、煙突くらいです。
たぶん、銭湯と工場の煙突です。
今では、渋谷駅前に、銭湯や工場は、見当たりません。
まして煙突を見つけるのは、大変です。
僕たちの子供の頃は、工場街でなくても、
街の風景に煙突が必ずありました。
「パルコ」も「109」もありませんが、
駅前に「三千里薬局」があるのを見つけた時、
自由の女神を見つけた『猿の惑星』のラストシーンを思い出しました。

                        中谷彰宏拝
P.S.
街でも、一緒に、いっぱい写真を撮っておこう。