真っ黒になるまで書かれたメモは、ドキドキする。
親愛なる君に

「真っ黒になるまで書かれた習字の半紙」と同じように、
「真っ黒になるまで書かれたメモ用紙」も、好きです。
「こんなに、アイデアを出した」という充実感を味わえます。
実家の電話のヨコには、
メモ用紙が置かれているのだけど、
やっぱり真っ黒になるまで書き込まれています。
「母親が出た電話の伝言がわからなくなる」と、
父親はいつも言っています。
母親は、「私は、いつもちゃんとメモしてるよ」と言います。
「ただ、そのメモがどこにあるのかわからないだけなのよ」
慣れっこなので、真っ黒なメモの中から、
刑事のように見つけだすことができるようになります。
家族ならではの「家庭の魔法」です。
きれいに書かれた黒板も好きですが、
全面、書くところがなくなるまで書かれた黒板も好きです。
僕が研修をする時は、ホワイトボードをたくさん並べて、
やっぱり真っ黒になるまで書いています。
高校生の頃、友達と長電話しながら、
メモに落書きをしていました。
長電話に、メモって、合うんですね。
仲良しの友達も、「真っ黒なメモ」が、好きでした。
電話をしながら落書きをするのって、どうしてあんなに楽しいのでしょう。

                        中谷彰宏拝
P.S.
君のメモも、好きです。