われら冥府魔道に生きる者。
(白石明著『独善的日常』)
親愛なる君に

恐るべき先輩が、白石明というペンネームで
釣りの本、『正調釣りオヤジS氏の独善的日常』(ぴあ刊)を書きました。
ジキル博士の時に書く本も面白いのですが、
ハイド氏である白石明の書くものは、さらに鬼気迫るものがありました。
ハイド氏は、「釣りがしたくなったら、いつでも、言ってください」
と、「やろう、やろう」と強要しない凄みを持っています。
この本を読んでいると、
「釣りとボウリングが、いかに似ているか」が、わかります。

〈頭でわかっているだけではダメで、
技術は身体で実践して 初めて、意味がある〉

〈釣り人は、女好きだが、釣りをすることで、
女を追いかけ回すことがなくなる〉

〈言い訳が、巧妙になる〉

〈弟子は、美人がいい〉

〈基本は、何度確認しても、ムダがない〉

ハイド氏は、署名とともに、〈日々是修練〉と書いてくださった。
僕が、感動したのは、あとがきの中の〈魔道に入る〉だった。
僕が、ボウリングの試合のここ一番のところで、
心の中でつぶやいているセリフは、「子連れ狼」のセリフです。
「われら冥府魔道に生きる者、四六道なし」
とつぶやきながら、刀をしぼるように、ボウルをかまえるのです。

                        中谷彰宏拝
P.S.
ボウリングの勉強になりました。