英語ができるより、関西弁が話せてよかった。
(転球劇場『ドラゴン』)
親愛なる君に

転球劇場の舞台『ドラゴン』を観てきました。
パンフにも絵が描いてあるので、てっきり竜の出てくる話かと思ったら、
ゴンドラでの窓磨きのお話です。
舞台は、ステージ上に実際につるされた狭いゴンドラの上だけ。
そこに、3人の登場人物が、ひしめくところが面白い。
いかにステージを広く使うかというのが、演技のセオリーなのに、
これは、見事に逆転してました。
まさか、最初から最後まで、ゴンドラとは、さすが。
つるされているので、役者が動くたびに、
ぐらぐら揺れるのです。
「これ、台本、どうやって書くの?」というくらいナチュラルな雑談が、
最高に面白い。
僕は、雑談をする関西弁が、大好きです。
福田転球さんのきれた関西弁。
高木稟さんのおどおどした関西弁。
橋田雄一郎さんの妙に礼儀正しい関西弁。
3人の関西弁を聞いていると、
たとえ、英語ができなくても、関西弁が話せてよかったと思います。
小さなゴンドラの上なのに、凄いスケールの舞台を観たような気がしました。
東京ドームで、アームレスリングを見たような、迫力でした。

                        中谷彰宏拝
P.S.
雑談する時の君も、大好きです。