絵を描いているところは、絵よりも、絵みたいだ。
(『鶴太郎流 墨彩画塾』)
親愛なる君に

画家が、絵を描くところは、
描かれた作品を見るより、感動的です。
NHK教育の絵の講座『鶴太郎流 墨彩画塾』で、
片岡鶴太郎さんが、まず自ら絵を描くところが好きです。
対象を見る目線。
左手でゆらゆらと書かれていく輪郭。
輪郭をはみ出してにじんでいく色。
ひらめを描く時は、鶴太郎さんの顔自身が、ひらめになっています。
仁科亜希子さん、高橋英樹さん、田中好子さん、岩崎宏美さん
と、豪華な生徒さんが、真剣に描く姿。
それを、お世辞ではなく、「いいなあ」とほめる鶴太郎さんのまなざし。
まるで、ドラマを観るように、ドキドキします。
最終的な作品を見るのは、
マラソンをダイジェストで見るようなつまらなさを感じるくらい、
プロセスは感動的なのです。

                        中谷彰宏拝
P.S.
君の絵も、好きだよ。
君の絵を描いているところも、好きだよ。