難しい企画ほど、出会いを生み出す。
(土江英明さん)
親愛なる君に

これまでに出た557冊の中で、
最もたくさん一緒に本を作っている編集者は、
ダイヤモンド社の土江さんとN君のコンビです。
『THE21』の「達人に学ぶ絶対上司にYESといわせる方法」で、
土江さんが『面達』の企画を通す時の苦労を話していました。
『面達』という企画は、通すのがかなり大変な企画だったと思います。

1.就職の大変さが、世代の違う上司には、実感がない。
2.著者の知名度がない。
3.就職本は、著者では売れない。
4.著者が大学の就職課でも企業の人事部でもない。
5.就職本に、ベストセラーはない。
6.出版が専門の部署ではない。
7.著者が若いので、説得力がない。
8.CMプランナーの本というのが、うさんくさい。
9.徳間書店が、一度ボツにしている。

あまりにも、ハードルが多い企画なのです。
よほどの熱意がない限り、『面達』はなかったかもしれません。
中谷彰宏も、なかったかもしれません。
土江さんは、「中谷さんのスピード感ある対応に熱意を感じた」と
よく言いますが、僕のほうこそ、
上司を説得した土江さんの熱意に感服していました。
この人と一生、たくさんの本を作ろうと決心しました。
『面達』を生み出すやり取りの中で、
土江さんと一緒にたくさん本を出すコミュニケーションのとり方を
作り上げたのです。
当時、土江さんが28歳、僕が29歳でした。

                        中谷彰宏拝
P.S.
20代の出会いは、大きいね。