ローアングルでゴルフを撮れるカメラマンは、一流のゴルファーだ。
(全英オープン)
親愛なる君に

『風の大地』で、一気にゴルフに詳しくなりました。
もともと、ゴルフ番組を見るのは、大好きでした。
ゴルフ番組の中でも、「全英オープン」が、いちばん好きです。
試合もさることながら、カメラワークが、最高にしびれるのです。
「全英オープン」の舞台は、ターンベリーに代表されるように
海沿いのリンクスコースで、これがゴルフコースかと
信じられないくらいのデコボコなコースなのです。
デコボコなグリーン。
井戸のように深いバンカー。
ジャングルのようなブッシュ。
フェアウエイを平気で横切るクリーク。
海からの突風。
カメラマンは、きっとゴルファーに違いない。
カメラワークが、うますぎる。
特に、ローアングルが凄い。
カメラを低くすることで、フェアウエイとは名ばかりで、
デコボコであることや、バンカーの深さがわかる。
手前に、かれんな花をなめることで、風の強さがわかる。
花の揺れるのを待って、ゴルファーがスイングするのが、わかる。
ゴルフをまったく知らない人が見ても、感動できる
ドキュメンタリードラマになっているのだ。
しかも、かならず、ドラマが用意されている。
素晴らしい役者と、素晴らしい演出家と、素晴らしい舞台と、
素晴らしい脚本と、素晴らしいカメラが、
「全英オープン」を作り上げている。

                        中谷彰宏拝
P.S.
いつか、全英オープンを、一緒に見に行こう。