ネタが重なっていないことに、読者がいちばん気づいている。
親愛なる君に

「こんなにたくさん本を書いて、ネタは重ならないんですか?」
と、よく聞かれます。
ネタは、重なりません。
重ならないように、チェックしながら書いています。
重ならないためにしている3つのことがあります。

1.レジュメを作って管理。
普通、レジュメは、書くために作るのですが、
僕の場合は、ネタが重ならないようにレジュメを作っています。

2.何段階もの、ゲラで厳重にチェック。
似たようなネタがないか、初校・再校・再々校で、
何段階にもわたって、削っています。

3.編集者がすべての中谷本をチェックしている。
編集者とのつきあいも長く、他社の中谷本も精読しています。
自社本どころか、他社の中谷本との重複がないように、チェックしています。

「こんなにたくさん書いているから、きっと同じネタを使いまわしているに違いない」
と考えるのは、作家でない人です。
作家は、書きたいことが山のようにあるので、
ネタが重なることは、作家自身にとって、いちばんもったいないことなのです。
中谷本を、実際読んでいる人は、重なっていないことに、気づいています。
同じネタを書いたら、読者がいちばん先に気づくのですから。

                        中谷彰宏拝
P.S.
書いても、書いても、書ききれない。
愛しても、愛しても、愛しきれない。