女性を女性として接する人が、モテル。
(藤沢さとみさん著『ハーフラバーズ』)
親愛なる君に

藤沢さとみさんの『ハーフラバーズ』(近代出版社)を読みました。
妻子のある40歳のエリートプログラマーが、
女性として生きていくプロセスを記録した日記です。
ネット上で、反響を呼んでいました。
読みながら、ぐいぐい引き込まれました。
引き込まれた理由は、3つありました。

1.一歩一歩のプロセスであること。
いきなりバンと女性になるのではなく、
行きつ戻りつしながら変身してゆくのです。
その変身の一段一段が、とても繊細なのです。

2.男性の勉強になること。
さとみさんは、男性からもてます。
さとみさんが、女性よりも、女性らしいからです。
男性にアプローチされるさとみさんの目線を通して、
こんな風に愛されると、女性は幸せを感じて、
こんな風にされると、寂しいんだなという勉強になります。
「女性を女性として接しない男性」は、やはりもてないのです。

3.自分取り戻しの挑戦であること。
これは、男性が女性に変身した物語ではなくて、
女性が、元の自分を取り戻していく物語なのです。

性転換のお話は、スキャンダラスに書かれやすいのに、
恋愛物語としても、成長物語としても、勉強になる物語でした。

                        中谷彰宏拝
P.S.
もし君が、性転換したいと言っても、僕はやっぱり好きだよ。