「まえがき」はスピード、「あとがき」は余韻。
親愛なる君に

僕は本を書く時、「まえがき」には、かなり力を入れます。
「あとがき」には、さらに力を入れます。
「まえがき」で大事なのは、「スピード感」です。
007映画と同じで、説明なしで、いきなりアクションシーンから入ります。
具体的であること。
その本で伝えたいことが、3ページで、わかること。
「あとがき」で大事なのは、「余韻」です。
読み終えて、「ふーっ」と、深呼吸したくなること。
さっそく、実行してみたくなること。
もう一度、最初から、読み直してみたくなること。
全部書いてから、「まえがき」「あとがき」を選ぶこともあります。
「まえがき」「あとがき」は、あとから書くこともあります。
「あとがき」のない本を読むと、
延長したゴルフ中継の録画の最後が切れていたような寂しさを感じます。
僕の本は、どんなに延長しても、最後まで放送する本にしたいです。

                        中谷彰宏拝
P.S.
「あとがき」を先に読みたい気持ちをガマンして、最後に読む君が好きです。