小堺さんの舞台は、毎日がハラハラする初日だ。
(『おすましでSHOW19』)
親愛なる君に

小堺一機さんの『おすましでSHOW #19』を、観てきました。
『おすまし』は、真夏に見る「新春かくし芸大会」です。
小堺さんは、いつも新しい芸事にチャレンジします。
舞台で、芸事がからむのは、大変なことです。
役者は、そのシーンが気になって、ほかのシーンに集中できないからです。
でも、小堺さんは、あえて集中力の邪魔になる芸事のシーンを
自虐的ともいえるくらいに、入れます。
初日でした。
初日は、役者もハラハラします。
案の定、ダンドリがうまく行かずに、舞台が中断。
観客も、ハラハラしました。
「……つなげって、指示が出てます……」
俄然ココから、イキイキしはじめるのが、小堺さんです。
観客は、凄い得をした気分になれます。
つなぎのアドリブを、楽しむことができるのです。
ダンドリのアクシデントは、スタッフにとっては地獄ですが、
観客にとっては、天国なのです。
ただただアドリブが面白いのではなくて、
準備と名人芸があって初めてのアドリブの面白さなのです。
舞台は、初日が面白い。
でも、小堺さんの舞台は、毎日が初日なんですね。

                        中谷彰宏拝
P.S.
敢闘賞
「小心者なのに、開き直ってタバコを吸う松尾伴内さん」
技能賞
「小堺さんのモノマネ連発盆踊り」
殊勲賞
「僕の隣の席で、パンフでダンサーのプロフィールを
真剣に読んでいる関根勤さん」