買ったのに、すぐ読めないようなドキドキする本を書きたい。
(下ネタ)
親愛なる君に

「中谷さん、サインしてください」と、美人に声をかけられました。
サインする間にも、短い会話のやり取りがあります。
この短いやり取りも、僕は好きです。
彼女は、言いました。
「最近『下ネタの本』、書きましたよね」
「下ネタの本」というのが、どの本か、すぐわかりました。
『死ぬまでにしなければならない101のH』のことでした。
面白いですね。
Hの本と、恋愛論と、猥談と、下ネタって、どこで区別があるんだろう。
ホンネという意味では、ある意味で、僕の本は、全部下ネタです。
僕の下ネタには、品があります。
彼女は、言いました。
「『101H』の本、私、買ったんです」
彼女は、買ったのに、まだ読んでなかったんです。
それも、よくわかりますね。
買ってすぐ読む楽しみもあれば、
すぐ読まないでガマンする楽しみもあります。
ケーキを買ってきて、明日の朝用に冷蔵庫に入れておくみたいな感じです。
彼女は、読んだ人より、ドキドキしてました。
媚薬を手に入れたけど、まだ使ってないみたいな感じです。
読むと、もっとドキドキするよ。
買ったのに、すぐ読めないようなドキドキする本を、僕は書きたいです。

                        中谷彰宏拝
P.S.
君の下ネタが好きなところが、好きだよ。