1冊でも本があれば、そこが本棚。
親愛なる君に

〈中谷本を読むまでは、本をまったく読みませんでした〉
という人が、少なくありません。
素直に、そう言えるということは、すばらしいことです。
本を読んだことのない人に読んでもらえるのは、
作家としては幸せです。
本を読んだことがなかったというのは、
食わず嫌いで、出合いがなかっただけなのです。
本を読めないわけでは決してないのです。
だって、携帯でメールをこれだけ読めれば、本は読めます。
難しい本をたまたま読んで、自分は本が読めないと
思い込んでいたに過ぎないのです。
〈中谷さんの本は、すぐ読めます〉
と言われると、僕はうれしいです。
中には〈すぐ読める〉と言われると、
そんなに中身がないのか、とムッとする作家もいます。
中谷本がキッカケで、ほかの作家の本とも、
出合いがあるかもしれません。
それもすばらしいことです。
1冊でも本があれば、それは君の本棚です。

                        中谷彰宏拝
P.S.
今度、君の本棚を見せてください。