財前五郎の年齢に、追いついた。
(『白い巨塔』)
親愛なる君に

大好きなドラマは、リメイクしてほしい気もするし、
ちゃんと作ってほしいから、怖い気もする。
リメイクは、大いなる挑戦なんです。
第1回を見て、失敗してると、もう見ないようにします。
寂しくなるからです。
「やっぱり、前のほうが良かった」と言われるのを承知で
リメイクにトライするのも、それだけで賞賛すべきことです。
『白い巨塔』は、僕の大好きなドラマベスト10に入るドラマです。
リメイクされるたびに、心配になります。
でも、2003年唐沢版は、毎週見てしまう力作です。
『白い巨塔』は、何度もリメイクされています。
1967年、佐藤慶版。
1978年、田宮二郎版。
1990年、村上弘明版。
もっとも印象の強い田宮二郎版は、実は、リメイク版だったのです。
この年、僕は、受験だったので、リアルタイムでは見ていません。
大学時代に、再放送で見て、はまりました。
はまると僕は、そのドラマのキャラクターのモノマネをします。
駿台予備校の谷塚寮の友達が、みんな医学部に行ったので、ウケました。
この間、寮の同窓会があった時、また田宮二郎版『白い巨塔』の
登場人物を次々とモノマネをしました。
「よう、そんなに、覚えてるな」と、あきれられました。
それくらい、田宮版には、はまっていました。
映画版『白い巨塔』も、見ました。
田宮版は、その5年前に放送された『白い影』の
続編のような面白さもありました。
DVDで田宮版全9巻を、買いました。
ついでに、新しいDVDデッキを、買い直しました。
田宮二郎さんは、この作品を最後に、自殺されました。
43歳でした。
財前五郎の年齢に、追いついて見直す『白い巨塔』です。

                        中谷彰宏拝
P.S.
2003年版のモノマネも、してあげるね。