いい女は、お話を引っ張れる。
(ジュリー・ドレフュスさん)
親愛なる君に

『キル・ビル』のパンフで、また新人の美人女優が出てきたと見つけました。
ジュリー・ドレフュスさんに似ている美人の殺し屋がいいなと思っていたら、
似ているのではなくて、本人で驚きました。
そうだ、と思いました。
ジュリーは、ハリウッドでオーディションを受けてがんばっていました。
「今度、クエンティン・タランティーノが役を書いてくれるかもしれないんです」
「それは、凄い」
それからしばらくして、
「今度、クエンティン・タランティーノの映画に出ることになったんです」
「それは、凄い」
それからしばらくして、
「今、北京で、クエンティン・タランティーノの映画の撮影をしているんです」
「それは、凄い」
あんまり凄いので、その話を記憶の奥のほうにしまいこんでいて、
すぐには引き出せませんでした。
かっこいい殺し屋なのに、あっというまに、斬られてしまって、
これはもったいないぞと思っていたら、タランティーノは、やってくれました。
続編まで、引っ張る役割を、ジュリーに託しました。
「これは、凄い」

                        中谷彰宏拝
P.S.
後編も、一緒に観に行こう。