プレゼントは、期待度との戦い。
(2003年お歳暮大賞・田中康嗣さん)
親愛なる君に

一年中、お中元とお歳暮でいかに驚かせるかを考えている
田中康嗣さんから、今年も面白いものが届きました。
なんと「除夜の鐘のミニチュア」です。
しかも、CDつき。
立川談志師匠に、オリジナルのコメントを依頼して、
依頼するほうもするほうだけど、受ける談志師匠も凄い。
CDには、えんえん30分にわたり、除夜の鐘が、ちゃんと108回
鳴っているから、遊びもココまで凝ると芸術になります。
天才コピーライターだから、小さな字の解説が、また面白い。

〈(1)製作前に、どの場所に飾ろうか楽しそうに悩みます。
(2)箱から材料を取り出し、固定用のテープなどを神妙にはがします。〉

「神妙に」がいいね。

〈……(5)穴に入れたり、結んだり、思い思いに組み立てます。〉

結局、作り方は、書いてなかったりします。

〈……(6)好きな場所に飾ります(注・結果的に携帯ストラップや
風鈴のようなものなってしまう場合もあります)〉

それ以外の場合は、なんだろう。

〈……(7)突いてみます。古い煩悩が落ちます。
(8)ふたたび突きます。新しい煩悩が宿ります。〉

〈煩悩こそ、クリエイティブの源〉という田中康嗣さんのお歳暮が、
今年も、お歳暮大賞を獲得しました。
受賞理由は「期待度が高いプレッシャーをはねのけながらも、
『ちゃんと仕事はしているのか』と母性本能をくすぐった」でした。

                        彰宏より。
P.S.
君が突いたら、いい音が鳴ったね。
君は、ミス煩悩美人を受賞しました。