ドラマの古い言い回しを、楽しもう。
親愛なる君に

テレビのドラマで、セリフの言い回しに違和感を感じることがあります。
言い回しが、「今どき、こんな言い方をするかな?」と
ちょっと、古臭いのです。
たとえば、こうです。
「僕は、君としたいが、こわいかい?」
「……が」と「……かい」を、ナチュラルに言えるのは、
かなりの名優ということになります。
その理由は、3つあります。

1.原作があって、その原作通りのセリフになっている。

小説であっても本は、やっぱりセリフが書き言葉になっています。
そのまま、話し言葉にすると、ヘンなのです。
逆に、話し言葉で書かれた小説は、意味不明になります。

2.原作が、古い。

3.スタッフが、ご高齢。

演出家が80歳。脚本家が、その先輩、という現場は、
少なくありません。
その場合、役者もご高齢なら、ピッタリあいます。

『白い巨塔』は、わざと、かなり昔のセリフに忠実に再現しているので、
それを違和感なく、セリフにしている唐沢寿明さんのセリフ力は、
さすがです。

                        彰宏より。
P.S.
セリフは、言い回しを変える権限が役者にないので、
古文だと思って、逆に、それを楽しんでね。