見ているのではなく、富士山に、見られているのだ。
(『富士山「発見」入門』)
親愛なる君に

スルガ銀行の取材に行った時、
富士山のあまりの大きさに驚きました。
富士山って、大きく見えると凄いけど、
小さく見える富士山も、味わいがあります。
田代博さんの『富士山「発見」入門』(光文社)という
素敵な富士山の写真集を見つけました。
富士山を、それこそ、徹底的にいろんな場所から、
いろんな季節や時間で、撮影したライフワークです。
はるか遠くの伊勢の夫婦岩からも、富士山が見えることに感動しました。
それ以上に、いちばん驚いたのは、
山手線高田馬場駅を出てすぐ目白寄りの車内から見える富士山です。
いままでそんなところから富士山が見えるなんていう
発想すら浮かびませんでした。
何回その風景を見たかわからないくらい見ている景色です。
写真を見ると、確かに映っています。
0.3秒も見えるかどうかなので、
スピードの落ちる後方車両に乗って、何度もシャッターを押して、
撮影されたそうです。
現像するまで、写っているかどうかもわからないくらいです。
稲川淳二さんに鑑定してもらえば、
いい心霊写真だと、ほめてもらえそうな写真です。
こちらが見ているというよりは、
富士山がこちらを見ている感じです。
都会の透き間から見える富士山は、
こちらにメッセージを送っている神様の写真なのです。

                        彰宏より。
P.S.
今、君のいるところからも、富士山がチラリと見えるかもしれないよ。