究極の笑いは、切なさだよね。
(松本人志さん3)
親愛なる君に

『スーパー一人ごっつ』で、3つめに好きなのは、人形コントです。
松っちゃんが、動かない人形相手に、
一人芝居をするのです。
いちばん好きなネタは、女子高生。
エッチをしようと、海辺の小屋に連れ込んで
抵抗された男という設定です。
セーラー服がはだけて、無表情で固まっているのが、
人形としてではなく、「そうなったら、つらいなあ」と感じさせるのです。
こういう時って、最も男にとってつらいのは、
抵抗されることより、
無抵抗な人形になられてしまうことですね。
これは、もはやコントではなく、シリアスドラマです。
悲劇を演じることで、喜劇を作り出しているのです。
松ちゃんが、確信犯でしているのは、
セットが実にお金をかけて作られているのです。
奥の奥まで作られてるし、ライティングもこだわっているのです。
「なんやねん……」とか、「なあ……」という男のつぶやきに、
追い詰められているのは、相手ではなくて、
男のほうだというがわかって、切なくなるのです。

                        彰宏より。
P.S.
玄人受けネタが好きな君が好きです。