お好み焼きの花がつおは、生きている。
親愛なる君に

僕は、怖がりです。
怖がりになった理由があります。
僕の父親は、お好み焼きを家でする時、
花がつおをかけながら、「ほら、生きてる、生きてる」
と、子供の僕たちを怖がらせた。
お好み焼きの上で、本当に生き物のように動く花がつおを
見ながら、なぜ生きてるのか、長い間、不思議だった。
実は、かなり大人になるまで、謎だった。
お好み焼きは、好きだったけど、
生きている花がつおは、怖かった。
思い出してみると、
ほかにも、「ほら、生きてる、生きてる」
と、脅かされたものが、たくさんあった。
そうすることで、あらゆることに命を感じることが
できるようになったに違いない。
「ほら、生きてる、生きてる」は、
父親と母親の、信仰心を育てる教育だったのだろう。
いまだに、お好み焼きの花がつおは、生きていると思っています。
すべての食べ物は「踊り食い」なのです。

                        彰宏より。
P.S.
一緒にお好み焼きを、食べに行こう。