早替りは、観客よりも、役者がハラハラして、快感がある。
(早替り)
親愛なる君に

僕も「早替り」を、舞台『長い間違い電話』の中で、演じたことがあります。
今の恋人が、ちょっと買い物に行ってる間に、
昔の男が、やってくるというシチュエーションです。
「今の恋人」と「昔の恋人」の二役です。
舞台のそででセリフを言いながら、着替えます。
戻ってきた「今の恋人」が「昔の恋人」と、ぶつかりながら、
部屋を出て行くという演出です。
見ている人より、やっている僕のほうが、ハラハラします。
BGMで、時間を計ります。
ただ着ればいいのではありません。
「脱ぐ」+「着る」の2倍の作業があります。
しかも、「今の恋人」⇒「昔の恋人」⇒「今の恋人」という
往復があるので、4倍の作業になります。
相手役の吉川十和子さんも、ハラハラしたでしょう。
観客には、鉢合わせしないかというハラハラに見えるところが、
お芝居の面白いところです。
裏で走りながら、何事もなく、舞台に出てくるところが、
役者としても、やりがいのあるところです。

                        彰宏より。
P.S.
日常生活でも、いつも君をハラハラさせたい。