業田さんがいなかったら、今の『メンタツ』はなかった。
(業田良家さん)
親愛なる君に

『メンタツ』の成功は、
業田良家さんのイラストの力にも、あります。
僕は、業田さんのマンガの大ファンです。
「イラストを入れようと思うんですけど、
どなたか希望の方は、いらっしゃいますか」
と、土江さんは言いました。
「業田良家さんに描いてもらえれば、最高なんだけど」
と、反対を覚悟で言いました。
「いいですね」と、意外にも、土江さんは賛成してくれました。
主人公を作って、4コマだけど、成長物語にできる話にしたいと思いました。
主人公は、業田さんの『武士の魂』と『自虐の詩』を
足したようなキャラを、イメージしました。
面接に行って、刀を振り回したり、切腹するくらいのパワフルな主人公を
思い描きました。
さっそく、東池袋の業田さんのオフィスに、土江さんとお願いに行きました。
場所がちょっとわかりにくいのでと、
土江さんが迎えにきてくれるのかと思ったら、
先についた土江さんをオフィスに残して、
業田さんご自身が、傘を持って、東池袋の駅まで迎えに来てくれました。
そのことに、僕は感動して「ぜひ、お願いしたい」と思いました。
業田さんのイラストは、いまだに描き直しています。
すでに巨匠なのに、いつもラフを見せてくれて、
「こんなんでいいですか」と、確認してくれる姿勢に、職人魂を感じます。

                        彰宏より。
P.S.
東池袋で出会った時、
業田さん・31歳。中谷・30歳。土江さん・29歳。
新選組みたいな若さですね。