硬い鉛筆を使うと、大人っぽい字が書けた。
(僕と鉛筆の歴史)
親愛なる君に

秘書のパープル・淺野君が、
Fの鉛筆を使っていたという話を[メルマガくん]で紹介したら、
「私もF」というメールをたくさんいただきました。
何を隠そう、僕も「F」でした。
僕の家の近くにある大鳥神社では、
2のつく日に「二日(にいび)」と言って、夜店が出ました。
「にいび」の「当てモン」のカラクリを、子供なりに見抜いて、
景品で鉛筆削りや鉛筆1ダースを当てることができるようになりました。
その鉛筆がユニの「F」でした。
僕にとって、「F」を使うことは、
カジノで稼いだお金で買ったポルシェに乗るような感覚でした。
鉛筆が学校の裏の文房具屋さんで、1本10円の頃、
ユニは、1本150円の高級品でした。
今、僕は、ユニの4Bを、絵を描く時以外にも使っています。
子供の頃は、もったいないというより、
筆圧が強すぎて、HBより柔らかい鉛筆は、使えなかったのです。
中学に入ると、「にいびのF」を卒業して、
かなり硬い「4H」を使うようになりました。
より硬い鉛筆を使うことで、大人っぽい字を書くことができたからでした。
博報堂に入ると、今度は、柔らかい鉛筆のほうが、
大人っぽい字を書けるようになりました。

                        彰宏より。
P.S.
鉛筆は、背中をかむと、それぞれ味が違いました。