面白いCMほど、その役を演じられるタレントは、世界で1人しかいない。
(山口もえさん)
親愛なる君に

『50s High!』(BSジャパン)の収録で、
初めて山口もえさんとご一緒しました。
番組が始まってしばらくしてから、もえちゃんが突然、
「あっ」と叫びました。
「私、本屋さんとか、よく行くんですよ。
本屋さんで本がたくさん並んでいる中谷さんが、
ひょっとして、中谷さんですか?」
と、僕を指さしながら、きょとんとして言いました。
もえちゃんが、本当に本屋さんに行っていることが、感じ取れました。
番組が始まってからしばらくは、
ゲストの中谷彰宏と、本屋さんで見ている中谷彰宏が、
一致していなかったようです。
「はい、そのようです」と僕が言うと、
もえちゃんは、立ち上がって、握手をしてくれました。
「初めまして」
顔合わせの時でもなく、番組の冒頭でもなく、
話してしばらくたってから、というのが、
いかにも、もえちゃんです。
それが、ちっともわざとらしくなく、さわやかなのが、もえちゃんの魅力です。
マツモトキヨシのCMは、
もえちゃんでなかったら成立しなかった企画です。
企画がどんなに面白くても、それを演じきれるタレントさんに出会えなければ、
やっぱりそのCMは成立しません。
もえちゃんのオンリーワンのキャラクターに、
「さすが」と納得させられました。

                        彰宏より。
P.S.
CMは、オンリーワンの才能を発見します。
僕は、そんな世界で20代を過ごせたことに、
もえちゃんと会って、あらためてうれしくなりました。