最終回の大ネタを、いきなり持ってきた余裕。
(『スパイダーマン2』)
親愛なる君に

『スパイダーマン2』を見てきました。
サム・ライミ監督に、またしてもやられました。
予告編で、マスクが取られそうになるシーンがあったけど、
どうせ本編でも、ギリギリ取られないんだろうなと思っていたら、なんと……。
これって、ヒーロー物の最終回の切り札なのに、
いきなり使ってしまう、どんでん返し。
こんな切り札を使ってしまったら、
パート3も4も見たいのに、大丈夫かなと心配するくらい
惜しげもなく見所が盛り込んであります。
「スパイダーマン」って、ほかのヒーローと違うユニークさが、たくさんあります。

1.不器用で貧乏。
マスクとユニホームを、コインランドリーで洗濯して、
シャツや靴下に色移りしてしまうなんて、
お金持ちの「バットマン」では、味わえない。

2.調子の悪い時もある。
糸の出が悪くて、飛べない時は、エレベーターで降りる。
モンティ・パイソンの「トイレを探して窓から入ってきたスパイダーマンが、
ジッパーがなくてもらしてしまう」というパロディを思い出してしまいました。

3.顔を全面隠し。
ヒーローのマスクは「そら、普通ばれるやろ」というくらい一部しか隠していません。
全面隠しするのは、悪役です。
しかも、ショッカーのように悪役でも、下っ端です。
『スマスマ』でのツヨシ君のパロディで
「これ、顔見えないけど、俺のやる意味ある?」というのは、
まさに全面隠しの悲しさです。
顔を全面隠すことで、悲しい表情に見えてしまうのが、
スパイダーマンの魅力です。
いずれにしても、パロディが多いということは、魅力がある証拠です。

サム・ライミ監督と、同い年なので、気になります。
僕が、博報堂に入った年に、名作『死霊のはらわた』が公開されたのも、
まるで、同期に先を越されたようなジェラシーと尊敬を感じていました。
今回は、どんなキスシーンがあるかと期待してました。
また、うまく作りました。
ヒロインが、敵役の婚約者と、顔シックスナインのキスをしながら、
スパイダーマンとのキスを思い出させるという大人の演出でした。

                        彰宏より。
P.S.
『シュレック2』の予告編でも、シックスナイン・キスのパロディがありました。
この映画を見た85%のカップルが、試してみたそうです。(出口調査より)