朗読したくなる本が、素晴らしい。
(岡田淳さん著『竜退治の騎士になる方法』)
親愛なる君に

『シュレック2』で、新キャラ「長ぐつをはいたネコ」を、
アントニオ・バンデラスが、スペイン語なまりの巻き舌で、いい味を出していました。
『マンガ日本昔話』も、方言が世界を作っていました。
岡田淳さんの『竜退治の騎士になる方法』(偕成社)では、
騎士が関西弁なのが、面白い。

〈おれは、竜退治の騎士やねん〉と言うおっちゃんに、
子どもから、「だいじょうぶか? この人」と、つっこまれてしまいます。
〈おれは西洋人やで〉
〈どうみても東洋人ですけど〉と、子供につっこまれる。
〈今はそない見えるだけや〉
名前を聞かれて、笑うからいややと言いながら、
〈ジェラルドゆうねん〉と言って、やっぱり笑われます。
〈これきいたら、みんな笑いよる。なにがおかしいねん〉
〈関西弁と名前があわへんのとちがいますか?
関西弁と竜退治の騎士ゆうのんも、ぴんとけえへんけど〉
〈自分を育ててくれたことばに、ほこりを持たんでどうすんねん。
生まれ育ったところによってやな、
『竜ば退治しよります』ゆう騎士もおるやろし、
『竜サ退治するだよ』ゆう騎士もおるやろ〉

ね、思わず、声に出して朗読したくなるでしょ。
僕は、朗読してみました。
枝雀師匠や木村祐一さんのモノマネでも、読んでみました。
童話というだけでなく、落語のような味わいがあります。
数々の児童文学の受賞をされている作者の岡田さんは、
兵庫県生まれで、図工の先生もされています。

                        彰宏より。
P.S.
僕も、朗読したくなるような本に、していきたいですね。