革命家は、漢文が好き。
(漢文好きのタクシーの運転手さん)
親愛なる君に

僕は、マニアックな科目が好きでした。
1番、倫社。
僕は、倫社は、青春論だと思っています。
ロマン・ロランだけでなくて、ブッダもキリストもプラトンも、
哲学や宗教と言うより、青春論だと考えていました。
実力テストの科目にはありません。
2番、漢文。
こうなると、ほとんど実力テストの得点アップに役に立ちません。
差がつきにくい科目の国語の、
しかも配点が100点満点中、現国50点、古文35点、
漢文15点しかありませんでした。
もはや、逃避と言われても仕方ないくらい漢文の勉強ばかりしていました。
革命家を目指していて、孫氏や史記を読んでいた影響でした。
漢文を勉強すれば、革命家になれる気がしました。
ついこの間、タクシーの運転手さんに、
「お客さん、漢文とか、興味ありますか?」と聞かれました。
うれしくなって、つい話しこんでしまいました。
すると今度は、「お客さん、短歌とか、興味ありますか?」と聞かれました。
そこで、短歌部であった話や、初めて投稿した短歌が、
朝日歌壇で入選した話をしました。
到着してしまうのが、残念なくらいでした。
「どういうお仕事をされているかわかりませんが、
お客さんみたいな人がいると思うと、日本も大丈夫ですね」
と、降り際に言われました。
このタクシーの運転手さんも、きっと革命家ですね。

                        彰宏より。
P.S.
その時、それから会う人のために、僕は本を持っていました。
1冊、差し上げればよかったと、降りてから気づきました。
きっとまた、乗ることになると、思います。