伝説に出合えた人は、幸福だ。
(故・太田土之助翁)
親愛なる君に

オータパブリケイションズの会長・太田土之助氏が、
ご逝去されました。
オータパブリケイションズから、ホテルやサービス関係のたくさんの
本を出させていただいています。
天国に旅立たれたと聞いても、信じられないくらい
アンチエイジングな91歳でした。
お通夜の帰りにタクシーに乗せていただいた坪田一男先生も、
きっと永久保存したい気持ちだったに違いありません。
土之助翁は、生きている時から、伝説上の人物でした。
ご子息の太田進社長から聞く伝説。
この日のために神学部で学んだと思える
葬儀委員長の村上実執行役員から聞く伝説。
いつも銀座の近藤書店から南青山のご自宅まで
本を届けていた近藤君から聞く伝説。
日本どころか、世界中、どこのホテルに行っても、
土之助翁について聞かれ、土之助翁の伝説を聞きました。
まさに、伝説が海パンをはいて、プールサイドに寝そべっているようでした。
僕が、生身の土之助翁にお会いしたのは、銀座本社で、一度だけでした。
伝説上の人物は、腰の低い温厚な紳士でした。
「こんな小さな出版社を助けていただいて、ありがとうございます」
と、おっしゃられ、恐縮しました。
実際にお会いしたのに、伝説のような気がしてしまいます。
土之助翁は、八犬伝の玉のように、飛び散り、多くの人の魂に
入り込みました。
そのひとつが、僕の中にも、入ったのを感じました。

                        彰宏より。
P.S.
土之助翁は、きっと天国に行くのも、ファーストクラスで、
スイートルームに泊まり、プールサイドで美女をはべらせているに
違いありません。