ボウリングは、逆転と、屈辱を晴らすドラマだ。
(ジャパンカップ2004その4)
親愛なる君に

ボウリングの面白さは、
シナリオでは創作できないようなドラマチックな展開をすることです。
ジャパンカップの決勝は、まさに「ドラマよりできすぎた生の凄いドラマ」でした。

奇跡の逆転は、まずシュートアウトから始まりました。
シュートアウトは、6位から9位の4人のうち、トップの1人しか生き残れません。
まず、スプリットが出れば、負けは確実です。
スティーブ・ジャロスは、1フレ(7)-(10)スプリット。
2フレ(7)-(10)スプリット。
一方、ロバート・スミスは、フォーススタート。
ここまでで、すでに50点の差です。
ロバート・スミスは、5フレでスプリットが出たものの、
その後、フォースで、242。
ジャロスは、なんと8連続ストライクで、247で逆転勝利。

次の大きな奇跡は、3位決定戦。
トミー・ジョーンズは、
1フレ・ワッシャー、2フレ・スプリット、3フレ・イージーミス
という最悪の立ち上がりでした。
普通の神経なら、ここでギブアップです。
4フレで、スペアを初めてとった時、
ヒュー・ミラーやピート・ウェバーらPBAの選手が
立ち上がって、スタンディング・オベーションをしました。
これ、テレビに映ってるかな。
そこから、トミー・ジョーンズは、7連続ストライクで逆転勝利。
ボウリングは、逆転のドラマなのです。

2002年 優勝 ロバート・スミス 準優勝 クリス・バーンズ
2003年 優勝 クリス・バーンズ 準優勝 トミー・ジョーンズ
2004年 優勝 トミー・ジョーンズ 準優勝 栴檀稔

これを見ると、前年おしくも準優勝になった選手が、翌年の覇者になっています。
これ以外にも、1998年のパーカー・ボーン三世、1988年の酒井武雄プロが、
いずれも、前年2位から優勝しています。
ボウリングは、屈辱を晴らすドラマなのです。

                        彰宏より。
P.S.
となると、2005年は、栴檀稔プロの優勝と、ここで予測しておきます。